対談
ヌヌック・エンダー・スリムリヤニ先生
(インドネシア アイルランガ大学人文学部日本研究学科長)
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米村千代
(聞き手:千葉大学卓越大学院プログラムコーディネーター)
この対談は、2022年11月18日に千葉大学において実施しました。
ヌヌック・エンダー・スリムリヤニ先生(インドネシア アイルランガ大学人文学部日本研究学科長)から、卓越大学院プログラムに関するコメントとメッセージをいただきました。
米村:今回の来日で、卓越大学院プログラムの参加学生、教員と交流・懇談していただきました。
まずは、プログラムについての感想やご意見をいただきたいと思います。
ヌヌック:卓越大学院プログラムで進めている地域や企業との連携はとても重要な取り組みだと思いました。アイルランガ大学でも地域の特性(local heritage)をいかしたプログラムを作ることを考案中です。
米村:プログラムではローカルな社会連携だけでなく、グローバルな連携も求められています。
アイルランガ大学では両者の接合をどのように考えていますか。
ヌヌック:地域の特性を活かした取り組みは、プログラムや大学にとっての独自性となり、世界にアピールできるポイントになると考えています。アイルランガ大学はスラバヤにありますが、インドネシアの他の都市ではなくスラバヤだからこそ経験でき勉強できることは何かと常に考えています。商業都市の歴史や文化に根ざした研究や社会実践をアピールすることで世界にアイルランガ大学の魅力を打ち出していきたいと思います。地域の特性に関する地域課題の解決というショートプログラムも検討しています。ローカルな社会との連携はグローバルな大学間連携を進める上での基盤であり、推進力にもつながると考えます。
米村:グローバルリーダーの育成という点でもプログラムや参加学生へのコメントやメッセージをお願いします。
ヌヌック:(プログラム参加学生と懇談して)自身の専門だけでなく、所属や専門の異なる学生さんたちと共にディスカッションする場が設定されている点は貴重だと思いました。フィールドリサーチや国内外の交流の機会が設定されていることも重要です。学生の皆さんには、世界を見てください、というメッセージを送りたいです。留学をはじめとする国際的な交流は、その社会を深く知ることだけでなくネットワーク形成にもつながります。情報が豊富になることで、思いがけない発想やキャリアのチャンスが生まれます。実際に見聞きし、経験した人と、していない人には、大きな違いがあります。これまでたくさんの留学生に接してきましたが、留学して後悔したという学生さんに会ったことがありません。「友だちが増える」、「視野が広がる」、「情報が豊富になる」ということ、それぞれはとてもシンプルなことですが、大学院で専門的な研究を進めていく上でも重要です。勉強は机の上だけではない、プログラムをきっかけにもっともっといろいろな経験をしてほしいと思います。