千葉大学 卓越大学院プログラム
アジアユーラシア・グローバルリーダー
養成のための臨床人文学教育プログラム

カリキュラム概要
Overview

5年一貫のカリキュラム

本プログラムの履修は5年一貫を前提としています。ここでは連携各大学に共有されている基本的枠組について紹介します。

5年間の履修

5年一貫プログラムとしての連続性と段階性を明示化するために、5年間の修学期間を、第1ステージ(1~2年)、第2ステージ(3~4年)、第3ステージ(5年)に分割するとともに、上位ステージに進むためにはゲート審査をパスする必要があります。ただし、これらは標準修学年数であり、所定の要件をクリアしてゲート審査をパスすれば、第1ステージ、第2ステージともに短縮することも可能です(具体的には各大学の定める早期修了制度に従います)。

第1ステージの履修

履修科目

本プログラムに登録した大学院生は、第1ステージにおいて12単位のプログラム科目を履修するものとします。12単位のうち、「アジアユーラシア研究法」(1単位)、「Digital Humanities 2.0研究法」(1単位)を俯瞰力獲得のための導入的必修科目とするほか、1年次、2年次にそれぞれ履修する「統合研究演習I、II」(4単位)を、プレゼンテーション・ディスカッション等による応用力獲得のための発展的必修科目と位置づけます。他の6単位については、〈アジアユーラシア研究科目群〉〈Digital Humanities 2.0科目群〉から、それぞれ2~4単位を選択必修としますが、それぞれの範疇において履修すべき単位数は、指導教員チームと協議しながら、もっとも適切なかたちを検討するものとします。

合同コロキウム

原則として年度内に一度、各大学院に所属するプログラム登録大学院生を一堂に集め、合宿形式による集中的な合同ディスカッションを実施します。とくに2年次に実施される合同コロキウムでは、それぞれのリサーチの成果と見出した課題、ならびにデータサイエンスの手法を利用したアプローチの可能性について報告するとともに、第1ステージの修了要件としているリサーチ・ペーパー(各大学において管理している博士前期課程修了のための修士論文を以て代替することができます)にかかわる執筆計画を相互に報告することを義務づけます。なお、この合同コロキウムに限らず、本プログラムでは各大学院に所属する大学院生間の交流を積極的に推進します。たとえば一定期間を連携他大学大学院に出向いて指導の一部を受けたり、連携他大学大学院の授業科目を履修することも推奨されます。

ゲート審査

リサーチ・ペーパー提出後に2種のゲート審査を実施して、合格することができれば、第2ステージへの進学が認められます。ゲート審査の第1は、QE(Qualifying Examination)です。ここで英語、ないし中国語、ロシア語のいずれかを選択した上での語学能力試験と人文科学基礎教養・人文科学特定分野専門知識に関わる試験を実施します。なお、語学能力審査は当面これらの言語としますが、審査指標等を確立し、審査体制が整えば、他のアジア諸地域言語にも範囲を拡大していきます。これまで人文科学分野については、細分化された多様な専門分野の中でそれぞれ個別の多様な専門的技能が要求される学問的特性ゆえに、統一的なQEの可能性自体が十分には検討されてこなかった経緯があるのですが、本申請プログラムでは、5大学と大学共同利用機関(国立歴史民俗博物館)の連携により、そしてさらなる大学間ネットワークの拡張により、人文科学系において共有できるQEを作り上げていくことも目的の一つとしています。ゲート審査の第2は、リサーチ・ペーパーと今後の研究計画に関わる面接審査となります。この面接審査はwebを利用して参加全大学に中継実施することとします。また、リサーチ・ペーパーに関しては面接審査までに外国語(当面は英語、ないし中国語、ロシア語のいずれかとしますが、条件が整えば他の言語にも拡大します)のサマリーを提出するものとし、これをリサーチ・ペーパーと一体的に審査します。以上の審査を実施した上で、第2ステージへの進学者を決定します。

第2ステージの履修

第2ステージにおいて、プログラム所属大学院生は指導教員チーム、メンターの助言を受けながら、自律的に2年間の研究計画、フィールド・リサーチ計画を立案するものとします。また、その研究計画に基づき、アジアユーラシア研究発展科目群、Digital Humanities2.0発展科目群の中から、自己の選択によって各1科目を履修します。また、このステージにおいては、原則として、一定期間に及ぶ長期滞在型の深度異文化理解プログラムを必須としています。また、Digital Humanities2.0発展科目群の履修を完了するに当たっては、みずから対象地域における調査テーマを設定し、社会統計分析・テキストマイニング・GISのうち、いずれかの手法、ないし複数の手法を利用して研究成果を報告します。第2ステージの修了を認めるゲート審査に当たっては、第1ステージ同様、プログラム所属大学院生による合同コロキウムを開催し、英語・中国語・ロシア語のいずれか一言語(条件が整えば他の言語にも拡大します)によりプレゼンテーションとディスカッションを行うとともに(多言語多文化コロキウム)、最終的な学位論文の構想について相互に検討を実施します。これらをゲート審査とした上で、学位論文執筆資格が認められます。

第3ステージの履修

第3ステージでは、指導教員チームの助言を受けながら学位論文を完成させます。学位論文の審査は指導教員チームを基礎として実施しますが、最終審査に関しては原則公開とし、5大学に同時配信することはもちろん、配信日時の調整が可能であれば、学位論文の取り上げる領域に応じて、本申請プログラムの海外連携大学、あるいは千葉大学海外キャンパスにも同時配信します。かかる情報の公開と共有によって、学位審査の厳格性と基準の統一性、普遍性を担保しつつ、最終的に学位の認定を行います。

アジアユーラシア・グローバルリーダー養成のための臨床人文学教育プログラム:カリキュラム

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